感染呪術
感染呪術 (かんせんじゅじゅつ、英: contagious magic)は、文化人類学者のジェームズ・フレイザーが定義した、人類学における呪術の性質を表す言葉である。感染魔術とも。
一度接触したものあるいは一つのものであったもの同士(ある個人とその着衣、ある個人とその人の爪、髪の毛など)は、遠隔地においても相互に作用するという発想を元にしている。
類感呪術とは対になる概念で、同様に世界各地に応用が見られる。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E6%9F%93%E5%91%AA%E8%A1%93
ニューブリテン島のガゼル半島原住民は 呪いをかける相手の髪の毛、衣服の一部 または食べ残しを使い 呪文を唱えながら手に持った焼石灰を空中にまく。原住民は、悪意のあるものに呪術の道具になるものが渡らぬよう 常に家の中を清潔にしておく。
身体の一部が切り離されたあとも 身体と共感的に繋がっているとされるものにへその緒と後産(胎盤)がある。へその緒、胎盤は大切にとっておき粗末に扱わない事でその子供は繁栄すると信じられていた。
マリオ族では 赤ん坊のへその緒が落ちると その子を祭司の下へと連れて行き厳かに命名してもらう。 その儀式に先立って へその緒を聖なる場所に埋め その上に一本の苗木を植える。その木がその子供の命のしるしとなる。
中国の医学書には 子供が必ず長生きできるように胎盤は 天または月の良い影響の受ける場所に地中深く埋めるが良い。もしもその胎盤が犬や獣に掘り出されたら その子は知恵を失うだろう。昆虫か蟻が食べてしまったら その子は腺病質になるだろう。からすかカササギが食べてしまったら急死か変死をするだろう。胎盤を誤って火にくべてしまったら その子は膿の出る腫れ物が出来るだろう。 日本人は へその緒を大切に保管し 死んだ時に棺の中に納めた。
ブリニウスはこう述べる。もしも誰かを傷つけてしまったら その傷を与えたその手に唾を吐きかけるだけで 相手の苦痛はたちどころに和らぐ。イギリスの農民は鉈や鎌で怪我をしないように いつもその刃先を磨いて油を塗っておく。万が一その刃物で怪我をしても そうしておく事で傷口は化膿しないと信じていた。
人間と衣服の間にも呪術的共感が存在する。ギリシアの詩人テオクリトスの詩に出てくる魔女は つれない恋人を自分の愛で溶かしてしまおうと蝋で模った恋人の像を溶かしながら 彼が自分の家においていった服の切れ端を 忘れずに火にくべた。
ピュタゴラス学派の格言に 朝起きたら夜具の上に残った体の痕跡をきれいに消すべしとある。これは呪いを防ぐために他ならない。ピュタゴラスの格言は、様々な迷信的な要素が含まれている。ちなみに白い鳩を見たら幸運をもたらす,なども日本ではおなじみである。
参照 http://d.hatena.ne.jp/mminazuki/20050722/1122039837
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